麻酔科・痛みセンター 講師
伊藤 伸子
当研究グループでは、不快な情動体験である感覚=痛みのメカニズムを基礎研究の手法を用いて探っています。
当研究グループでは、不快な情動体験である感覚=痛みのメカニズムを基礎研究の手法を用いて探っています。
遺伝子改変マウスを使った研究
生理活性脂質と痛み
脂質は三大栄養素の一つであり、体内では最も効率の良いエネルギー源であることはご存知でしょう。しかしそれだけではなく、細胞の内と外を仕切る細胞膜の主要な成分であり、さらには細胞膜から単体で遊離し、さまざまな生理機能を調節するシグナル分子としての機能もあります。
機能をもつ脂質は「生理活性脂質」と呼ばれ、ステロイドやイノシトールリン脂質、プロスタグランジン、ロイコトリエンなどが知られています。
神経障害時のミエリン損傷と脱髄を引き起こすリゾフォスファチジン酸LPAも生理活性脂質です。
ロイコトリエンB4の高親和性受容体BLT1シグナルによる疼痛機構や疼痛モデルでのLPA産生の影響について、BLT1ノックアウトマウス等を用い、検査部・薬学部・順天堂大学生化学・国立国際医療研究センターと共同研究をすすめています。
リゾリン脂質の可能性